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のん(能年玲奈)『この世界の片隅に』NHKで地上波初放送 視聴率8.3%は地上波テレビ復帰の後押しになるか

芸能
出展:のん公式サイト

出展:のん公式サイト

 

8月3日21時からNHK総合で、のん(能年玲奈)が主演声優を務めた映画『この世界の片隅に』(2016年)が放送され、平均視聴率は8.3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)だった。

長く地上波テレビに露出がなかった「のん」の今までの経緯と、今後の地上波復活の可能性を検証してみる。

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『この世界の片隅に』が地上波テレビで放送されるのは、この日の放送が初めて。

『この世界の片隅に』は、こうの 史代さんのマンガ作品で「漫画アクション」(双葉社)で連載され、2009年に「文化庁メディア芸術祭」のマンガ部門優秀賞を受賞した。戦時中、広島・呉に嫁いだ18歳のすずの生活が、戦争の激化によって崩れていく様子が描かれた。

劇場版アニメは、主人公・すずの声を女優ののんさんが担当。2016年11月に公開された。いわゆる“単館系”の作品だったが、異例のヒットを記録し、日本アカデミー賞で最優秀アニメーション作品賞を受賞した。

アヌシー国際アニメーション映画祭で長編部門審査員賞を受賞するなど、海外でも高い評価を獲得した。日本国内でも、DVD発売、配信後も上映が続き、上映期間は900日以上となった。

『この世界の片隅に』がはじめて地上波テレビで放送された

封切りが2016年11月であることから、今年8月地上波放送まで、2年半以上の間が空いている。これは、近年のヒットした映画地上波放送においては、極めて遅いケースである。

というのこの度実現した『この世界の片隅に』のテレビ放送には、深く大きな意味がある。

のんこと能年玲奈が、事務所独立騒動以降、CM以外で地上波テレビに映ることがなかった。声優として声だけの出演ではあるが、彼女がのん名義になって初めて地上波テレビの電波に乗ったというわけだ。

のん(能年玲奈)が芸能界とメディアから受けた嫌がらせ

実は、バーニングプロダクション直系の芸能プロであるレプロエンタテインメントからの独立話がもちあがって以降、のんは芸能界やメディアから数々の嫌がらせを受けてきた。

その動きは、レプロとのトラブルにより独立を希望したときから始まった。彼女と事務所の関係がこじれるや否や、バーニングの御用メディアである「女性セブン」や「週刊ポスト」(ともに小学館)といった週刊誌が、のんについて「年上の女性に洗脳されている」と書き立てたという。

その後、彼女はレプロから離れて独立することになる。その際、これまで世間に認知されてきた「能年玲奈」という名前を捨て、「のん」という芸名で再スタートを切る。

本来「能年玲奈」は芸名ではなく本名であるにも関わらず、彼女は自分自身の名前を使って仕事をすることができないという不条理な経緯があったのだった。

さらには映画『この世界の片隅に』封切りの際も、のんは在京キー局から締め出され、映画公開のプロモーション活動をすることができなかったのである。つまり、この作品が大ヒットした要因は、メディアのプロモーションではなく、SNSをはじめとした口コミの力であったのである。

NHKまでが不可解な行動を

のんの締め出しはNHKにおいても展開されていた。テレビ番組においてのんの人気を定着させた『あまちゃん』の資料映像を使う際には、彼女の出演シーンをカットして使用するなどの細工が繰り返されていた

またのんと同じく『あまちゃん』出身女優の有村架純が司会を務めた2017年の『第67回NHK紅白歌合戦』では、有村が『あまちゃん』の舞台である岩手県久慈市の中学校を訪れ、生徒たちと交流したVTRが流されるコーナーがあった。

そのVTRのなかで『あまちゃん』の紹介をするくだりがあり、ドラマの資料映像が流れたのだが、『あまちゃん』の主演ののんの出演シーンは一切なかったのである。

のん(能年玲奈)のマネージャーが明かした“圧力

昨今でのんの締め出しと同様な経緯は、SMAPにもあった。

視聴者からは“芸能ムラの論理”による不可解な干し上げが横行する状況に対して、批判の声が起きるようになった。

今年7月17日には、元SMAPの独立組(香取慎吾、稲垣吾郎、草なぎ剛)のテレビ出演をめぐって民放テレビ局などに対して圧力をかけていた疑いがあるとして、ジャニーズ事務所が公正取引委員会から注意を受けたことが報道され時、多くの人が想起したのが、のんだった。

そんななか、現在、のんのマネジメントに関わる福田淳氏が、SNSやネットニュースを通じて、のんの置かれている窮状を訴えた。

福田氏によれば、テレビ局の現場スタッフから魅力的なオファーをもらって快諾しても、その企画が上司や担当役員のもとまで上がっていくと、いきなり立ち消えになってしまうことが繰り返されているという。

ネットニュース「BuzzFeed」のインタビューにおいて、福田氏は「最近はもう理由も聞きません(笑) すっかり絶望が身に染み付いてしまいました」とまで語った。

こうした膠着した状況のなか、地上波のテレビで『この世界の片隅に』が放送されたことには、非常に重要な意味がある。

復活への目安となる平均視聴率は8.3%の評価は?

『この世界の片隅に』は、映画封切り後1年もたたない18年7月にTBS系の「日曜劇場」枠にてテレビドラマ化された。

2018年09月16日最終話が16日に放送され、その時の平均視聴率は10.0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区・以下同)だった。これは第1話と先週第8話でマークした番組最高10.9%に迫る数字であった。

実写ドラマと、原作のアニメとでは単純な比較にはならないが、長くのんが地上波不在の中で単発的にオンエアされた8.3%の視聴率は、3か月間のシリーズドラマのクライマックスの10%に匹敵すると考えてよいと思われる。

なにより、SNSには「演技良いなぁ」「のんは天才」など絶賛するの声が殺到し、かつネット「のんさんが、NHKに…戻ってきたよ~」「のんさんの声が聞けるだけで嬉しい」といった歓喜の声や「声が本当にすずちゃんにぴったりでなぜだか泣けてくる…」「のんは天才。素晴らしい声の表現」と絶賛のコメント。

さらに「放送してくれたNHKありがとう!」と地上波で放送してくれたNHKにも感謝の声が飛び交っている。

のん本人も公式ツイッターで、「NHKにての放送観てくださった皆様ありがとうございました。たくさんのツイートがあって本当に嬉しかったです(中略)てくださった皆様も、すずさんと同じ時間を過ごした同士だと思える。それがこの上なく幸せです」とコメント。

もはや視聴率を超えたネットの声の拡散こそが、のん地上波復帰への後押しになっているといっていいだろう。

まとめ

のんのツイッターのコメントにあるように、『この世界の片隅に』は、SNSの力と、ネットによるプロモーション・クラウドファウンディングの成功によって、作品的にも興行的にも大成功を収めた作品である。

今回の地上波放送は、関係者、そしてファンの賛同をつなぐ大きな力となったのは確かである。

のんの地上波本格復帰は、間違いなく遠くはないと確信していいだろう。

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