お笑いコンビ・ロンドンブーツ1号2号の田村淳が、テレビ東京系で10日に放送される『0.1%の奇跡!逆転無罪ミステリー』収録語に、意味深いツイートを吐息のように残した。本来はお笑い仲間の「罪」からはじまったネット上での「冤罪」を改めて問いただしてみます。
目次
ロンブー淳のツイート
『冤罪』
罪がないのに罰せられること。
無実の罪。ぬれぎぬ。このタイミングで冤罪の番組…
冤罪からの逆転無罪のお話。6/10 テレビ東京
19時〜21時
「0.1%の奇跡!逆転無罪ミステリー」かなり考えさせられます…https://t.co/85SPOvhQ2f pic.twitter.com/Q7nkkzSsLr
— 田村淳 (@atsushilonboo) June 9, 2019
『謝罪』
デイリーさんの謝罪…非常に目立たない場所でひっそりとした謝罪ありがとうございます。都合の悪いことはツイッターではなくHP…この地味な謝罪でどれだけの誤解が解けたのか疑問ですが…記事を拡散したYahooニュースさんも他人事だと思わずにこれも↓拡散して欲しいhttps://t.co/XpqEuqtgYN pic.twitter.com/DColmrF86K— 田村淳 (@atsushilonboo) June 9, 2019
ツイッター内では、「番宣になったのでは」などの予想だにしなかった災い転じてのメディア効果ありとの声も上がっている。
ツイッター内での賛否
●良い宣伝になったw!結果オーライ。バックオーライ!
●冤罪のニュースやドキュメンタリーを観ると ドラマでも観てるかのような驚愕の真実があり いかに司法制度が腐敗しているかがわかりまよね…(略) 国家権力の正義が本当に成されてるのか等もっと発信してほしい! そして正義が成される国に! 観ます
●いい宣伝になったんじゃないの?冤罪だけにね
●まさかの番宣に繋げた
発端は、たった一文字違いのネットニュース上の誤植だった
問題となったのは2014年12月に都内で開かれた詐欺グループに関わる企業の忘年会に、お笑いコンビ・カラテカの入江慎也の取り計らいによって、田村淳の相方となる田村亮のほか、雨上がり決死隊の宮迫博之やレイザーラモンHG、ガリットチュウの福島善成らが相手の素性も知らずに参加したことにある。
ネット上における報道において、デイリースポーツonlineが「田村亮」、相方で不参加だった「田村淳」を取り違えて記事を配信してしまった。サイト上では「田村亮」と修正されているが、SNSの拡散の力により「田村淳」が参加したという記事が画像で拡散されつづけている。
田村淳は収録語、「真っ当に生きているのに…生きるのが怖くなった」と吐露
ロンブー淳が出演した番組はテレビ東京系で10日に放送される『0.1%の奇跡!逆転無罪ミステリー』。その収録後に取材に応じた際、開口一番淳は開口一番、「生きるのが怖くなりました。真っ当に生きているんだけど、いつ何時、何が自分の身に振りかかるかわからない」と心情を吐露した。「監視カメラやICレコーダーを街中の至るところに置いてほしい。とにかくすべて、録音録画したい」とえん罪への恐怖を語った。
出典:スポニチ
その後の田村淳のツイート
『冤罪』
罪がないのに罰せられること。
無実の罪。ぬれぎぬ。このタイミングで冤罪の番組…
冤罪からの逆転無罪のお話。6/10 テレビ東京
19時〜21時
「0.1%の奇跡!逆転無罪ミステリー」かなり考えさせられます…https://t.co/85SPOvhQ2f pic.twitter.com/Q7nkkzSsLr
— 田村淳 (@atsushilonboo) June 9, 2019
冤罪は不意に突然やってくる身近な社会問題である
冤罪はどこかメディアの向こう側の世界の出来事と一瞬客観的に感じてしまうが、我々の身の回りには冤罪と同等のことが日々行われている。
一番身近なのが満員電車内における痴漢行為である。記憶に新しいのは、2019年1月、3年前に再審で強姦罪で無罪となった男性が国に損害賠償を請求したが、大阪地裁で棄却され件である。男性は結果的に計6年間身柄を拘束されたが、無罪となったきっかけは、結局被害女性が「自分の証言は嘘だった」と男性の弁護人に告白したことだった。
それ以前から、男性は結果的に計6年間身柄を拘束されたが、無罪となったきっかけは、被害女性が「自分の証言は嘘だった」と男性の弁護人に告白したことだった。
日本の裁判においては、被害者は嘘をつかないという前提に基づいて、加害者となった人間は基礎されるとほとんどが有罪になると考えられている。逆転劇を起こせるは100分の1の確率でしかない。
それほど誤解から生じた起訴でも覆すことが非常に困難であり、「嘘だった」「間違っていた」「誤解だった」原因でも、いきなり逮捕され、犯罪者になってしまうことは、いつ自分の身に降りかかってくるかわからない。それこそ、明日は我が身なのである。
冤罪を題材にした代表的な映画
誰にでも、突然おきる、そして逆転への道は果てしなく険しい。冤罪は、ある意味、言葉や表現豊かな人間だからこそ、常に目の前にある社会問題である。そのため、いくつもの事例や実話を題材にした文学や映画、テレビドラマ等が数多く制作され、実にドラマチックかつ奇想天外な名作として歴史に残っている。
冤罪を題材にした映画の代表作を上げておきます。
それでもボクはやってない(2007年)
監督:周防正行 出演: 加瀬亮、役所広司、瀬戸朝香 他
フリーターの金子徹平は、朝の通勤通学ラッシュに女子中学生に痴漢と間違えられ、有無を言わさず駅員室に連行される。まもなくやってきた警官に逮捕・連行され、更には起訴される。有罪判決を受けるが徹平は判決に控訴し、身の潔白を証明するために戦い続ける。
君よ憤怒の河を渉れ(1976年)
主演:高倉健
東京地方検察庁刑事部検事・杜丘冬人は、突然、水沢恵子と名乗る女性の通報を受けた警察官に強盗傷害容疑で連行される。近しい警部に無実を主張るも、次に寺田俊明と名乗る男性が「この男にカメラを盗まれた」と杜丘を名指しで通報してきた。証拠が揃いすぎの完璧な罠だ。
ビール・ストリートの恋人たち(2018年、アメリカ合衆国)
監督:バリー・ジェンキンス 主演はキキ・レイン・ステファン・ジェームズ
黒人の男女の人種差別問題を含んだ冤罪物語。19歳の少女ティッシュと彼女の婚約者で22歳のファニーは幸せな生活を送っていた。ある日、ファニーが無実のレイプ容疑で逮捕され投獄される。妊娠しているティッシュは生まれてくる赤ん坊のために、自分の家族や弁護士と協力し、ファニーの無実を証明する証拠を探していく。
逃亡者(1993年、アメリカ)
主演:ハリソン・フォード
60年代に絶大なる人気を博したアメリカのテレビドラマの映画リメイク版。妻殺しの罪を着せられた医師が警察に追われながらも真犯人を見つけ出す。
『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ 栄光のヤキニクロード』(2003)
『クレヨンしんちゃん』の劇場映画シリーズ第11作目。ある朝、しんちゃん家族が朝食をとっていると、突然車で野原家の塀を突き破り、謎の男が助けを求めて転がり込んでくる。それを追撃してきた謎の一団に危険を感じ、一家はの場から逃げ出した。なぜか突然警察やマスコミから凶悪犯一味と断定され、追われる事になってしまう。
SNS大前提の社会のコミュニケーションの課題
事件やハプニングが起こるたびにキーワードが拡散され時に炎上するツイッターというメディアは、リアルな口コミよりも伝播するスピードにおいては驚異的な力を持っています。一つの「罪」からはじまり、たった一文字で拡散される「冤罪」。奇しくも関係者を交えてタイミングを合わせて放映されるテレビ番組は、新たなSNSを前提とした社会のコミュニケーションの課題を、その反響とともに私たちに突き付けてくるはずです。