ハンコと言えばシャチハタ。その文具メーカーのシャチハタが、世のため人のため女性のために勇気の狼煙を上げている!
発端は痴漢対策に関するツイッター論争
ことの発端は、ツイッターにおいて「痴漢を安全ピンで撃退する」という撃退法を提案するマンガがツイートされたものに反応して、賛否両論のメッセージが多く肯定的な意見もあった。
16万件以上の「いいね」が寄せられている一方で、過剰防衛との指摘や、「冤罪の場合は「抑止力になる」「やりすぎだ」というような否定的な意見もあり、ちょっとした論争になった。その中で、安全ピンの代わりにハンコで痴漢と消えない印を犯人につけては、提案の声が上がった。
これを受け、シヤチハタは5月21日、「今現在Twitterで話題になっている社会問題の件ですが、早期に対応ができるようにします。ジョークではなく、本気です。」とツイート。
さらに26日には「最初にご提案できるのは従来のネーム印とほぼ変わりません。そして今後段階的に形にできればと考えております」と書き込み、「目指すべきはこの社会問題が根絶され、“護身用グッズが必要ない世の中”になる事です」と結んだ。
社会貢献に取り組んできたシャチハタ
シヤチハタは「痴漢対策グッズ」に取り組む前に、以下のような商品開発とイベントで社会貢献に取り組んできた。
手洗い練習スタンプ おててポン
子どもの手の平に”ばいきん”のイラストを押印し、印影が消えるまで石けんで手洗いするし、子どもたちの手洗いの練習を促進する。(16年11月に発売)
防災・減災スタンプラリー
防災訓練の際に、スタンプをおしながら避難経路を回り、楽しく防災・減災の知識を学ぶワークショップ型の訓練のプログラム。(18年8月、東北大学と共同開発)
はたして痴漢認印は商品化されるのか?
その後のツイッターにおいても、シャチハタの発言に関しては賛否両論となっている。
中には「もしも安易に商品化されたとしたら、間違いなくこれはイジメに使われる。このシャチハタを顔に捺すってイジメが確実に起きるよ」というような新商品開発の功罪を叫ぶ意見もある。
近年は「女性専用車両」などの痴漢対策が交通側にもなされているが、それに関してもやはり否定的な意見もあったりはする。仕事や公的手続き等における認証制度としての印鑑は、電子認証などにとってかわられ受容が減ってきているのは確かである。
新しいマーケティングの手段としての痴漢撃退のハンコの開発、利用法の提案が新しい痴漢問題を、そしてハンコという認証グッズを再認識させるきっかけになったことは確かである。
さて、痴漢認証ハンコの商品開発はいまどの段階にあるのか。あるいは“護身用グッズが必要ない世の中”にするための対策は、どのように展開されるのか。期待したい。