30歳を迎える少し前、広告代理店で働いていた新宿でのこと。気持ちが沈み、
どうにもならない時期に観たのが、原田芳雄主演の『我に撃つ用意あり』でした。
原作の佐々木譲『真夜中の遠い彼方』といい、その映画タイトルといい、
まさに胸を打たれるものでした。
逃亡中の少女がサンドイッチを、一口、一口味わう
物語は、逃亡中のベトナム・台湾を流れてきたアジア出身の少女メイリンを、全共闘上がりのバーのマスターが助ける話。新宿歌舞伎町での一晩の出来事だ。
そしてその日が、ちょうど店の閉店日。まさに店じまいの支度をしていると、ドアが相手逃れてきたメイリン。
一息ついてからサンドイッチを渡され、その食べるシーンが長く時間で映されていた。
サンドイッチを一口一口味わう様子には、ただの食事以上の「深い対話」とか「優しさ」があふれていて、なぜか涙が止まらなかった。
人が何かを食べるシーンに、こんなに強い命のメッセージが宿るなんて、本当に監督の力量だと思いました。(監督は若松孝二監督)
食べ物に宿る「命のメッセージ」
監督の若松さんに、あのシーンの意図を直接聞いてみたかったものです。当時住んでいた高円寺にある居酒屋に通う常連だったと聞き、いつか尋ねてみようと思っていたのに、今となっては叶わない。
もう一度、自分の足で立って進もうと、あのサンドイッチのシーンを胸に、食べ物の一つひとつに宿る「命のメッセージ」を何か形にして伝えていきたいと思っています。
「食べる」という行為の意味と大切さ
あのシーンは「食べる」という行為の意味と、その大切さを静かに、だが深く教えてくれるものでした。食べ物が持つ温もりや、命の重みを改めて感じさせてくれる、心に残るひとコマでした。
そこで、サンドウィッチについて考えたい。。
家で、わざわざサンドウィッチを作るのだ。ナッシュを活用して、
コメント